金属箔抵抗器(Bulk Metal®Foil Resistors)技術とは

金属箔抵抗器は、従来の精密級の金属皮膜抵抗器や巻線抵抗器、厚膜抵抗器とは異なり
厚み数μmまで平面に圧延されたニクロム系金属箔を平滑なセラミック基板に接着し抵抗素体とした抵抗器で
アルファ独自の金属箔を抵抗素体に使用することで、他の抵抗器にない卓越した性能が得られ
0.14ppm/℃(代表値)という抵抗温度係数(TCR)、±0.0025%という抵抗値許容差
5ppm/年(10ppm/3年)という非常に優れた長期安定性を誇る超精密抵抗器で
米国国防総省規格MIL-PRF-55182/9に適合します。


金属箔抵抗器の抵抗温度係数は、金属組成の厳密な品質管理と箔安定化処理技術と金属体の構造により
他に類のない極めて小さな値を示します。
また、抵抗器の重要な性能である長期安定性についても
金属皮膜抵抗器のように成膜による抵抗素体ではなく、数μmの金属箔のため金属のもつ安定した性質を引き出すことができ
経年変化の小さな超高安定の性能が得られます。
抵抗素地の形成には、自社独自の微細なフォトエッチング技術により
高精度を要求される複雑な抵抗パターンの形成を可能にしました。


アルファ・エレクトロニクスの金属箔抵抗器は
半導体関連装置から精密計測器、電子秤、航空宇宙、校正機器、工業計器、医療機器といった
精度と信頼性を要求される幅広い分野で40年以上にわたって豊富な実績を有しています。
製品群には、ディスクリート抵抗、面実装抵抗ネットワーク、リード部品のほか、カスタムのチップ抵抗ネットワーク
ハイブリッド回路用の個別チップ抵抗器の他、感温抵抗器や薄膜抵抗器など、広範な用途に合わせた製品を提供します。


金属箔抵抗器の卓越した安定性は標準抵抗器としても応用されており、従来の標準抵抗器で必要とされたオイルバスが不要で
国立研究開発法人 産業技術総合研究所と共同開発したストレスフリー技術を採用した
世界最高峰の安定性(0.05ppm/年, 代表値)を誇るHRUシリーズは
世界各国の国家標準機関研究所採用されています。
USR-SF/ASRシリーズは校正事業者の一次標準器、二次標準器として採用されています。

電流検出用抵抗器センサーは、検査装置、医療機器、半導体製造装置、高精度計測装置、航空宇宙、防衛等といった
優れた精度と安定性が要求される様々な用途で使用されています。



製造工程、抵抗値調整、構造、抵抗温度特性PDF

金属箔抵抗器の特長

抵抗温度係数:
 0.14 ppm/℃ (代表値)
抵抗値許容差:
 ±0.005%
経年変化:
 5 ppm/年, 10 ppm/3年 (ハーメチック形)
負荷寿命:
 0.005%/2000 時間(代表値)
熱起電力:
 0.1 μV/℃ (リード間)
雑音:
 -42 dB
電圧係数:
 0.1 ppm/V
周波数特性:
 インダクタンス: 0.08 μH/キャパシタンス: 0.5 pF

NASA (ゴダ―ド宇宙飛行センター) 評価レポート

"米国軍規格MIL-R-122/1相当の固定精密メタルフォイル抵抗器評価レポート61132 & 80819A"
アルファ・エレクトロニクスの金属箔精密抵抗器はNASA(米国航空宇宙局)が人工衛星に搭載するために求めた部品認定に必要な特性を全てクリアーしました。報告書は1995年12月に刊行され1998年7月にデータの追補が行われました。アルファ・エレクトロニクスの金属箔抵抗器は現在、米国気象観測衛星(GOES)、日本の多目的通信衛星(MTSAT)、米国の土星探査機(CASSINI)に搭載されました。